meximove <BGSOUND SRC="../musica/de_que_manera_te_olvido.mid" width=80 height=18 autostart=true repeat=true loop=true border=0>
♪ De que manera te olvido ♪
panchos


meximove
番外

メキシコの発明品

meximove_0

 今の若い人たちには何のことか分からないでしょうが、戦争に負けた直後、何もない日本には、街の発明家達が工夫したいろんな物が有りました。
 コンサイス英和辞典のページを千切って、紙巻たばこを巻く器具は懐かしい父親の思い出に繋がりますし、蒲鉾の板で造った箱の内側にブリキ板の電極をつけたパン焼き器なんかは、子供だった私にも作れて、母や近所のお母さん方に重宝がられたものです。
 日本ではものが豊かになると共に、そういったものは一斉に姿を消しましたが、ここメキシコでは、金持ち達が時代の流れに乗った新製品を享受する一方で、貧しい人々は昔ながらの知恵を絞った手作り器具なんかで間に合わせています。
 そう言う物を、一部の人たちはインベント・メヒカーノ(メキシコの発明品)と、自嘲気味に呼びます。
 でも、そう言う時の彼等の顔つきは明るく、金さえ出せば何でも有るけど、そんなことしなくたって、これで十分じゃないですかって、誇らし気でさえ有ります。

 このページでは、我が家の建築現場で見かけたそう言う物を、目についた都度、御紹介します。

1) 家が出来上がってからは勿論、工事の時にも水が必要な訳ですが、それを溜める貯水槽をまず最初に造りました。 そのための穴は縦・横・深さそれぞれ3メートル有り、掘るのはさすがにパワーショベルを使いましたが、後は全て、人力です。 壁は家と同じく煉瓦を積みますが、底は鉄筋を組んだところへコンクリートを流し込みます。 コンクリートミキサー車を使う程の量じゃないから、私はやぐらを組んで滑車とバケツでやるんだろうと思っていたんですが、左下の写真の通り下水用のプラスチック管の上端に、板切れで造った漏斗のような物をつけて、あっという間に流し込んでしまいました。
cisterna
2) あちこちの建築現場で見ていた番小屋は、トタン板でできているものとばかり思っていたら、これが何と、ボール紙にコールタールを塗った物なんです。 ですから、釘で打ち付けただけじゃ、すぐはがれてしまうんでコカ・コーラの栓を座金として使います。 沢山集めるのは大変かと思ったら、あちこちの小さな食堂へ行くと、袋に入れて溜めてありました。

3) 煉瓦を積むと、間に挟んだセメントがはみだしますが、これをきれいに均すにはコテなんか要りません。 水ホースの端っ切れで十分です。

4) 私の知っているゴルフクラブで働く26才の青年は、35年前の車に乗っています。 そんな車でも補修部品は必要で、中古車を解体した部品を売っているところがあちこちに有ります。 そしてもう、自動車には使えなくなっても、まだロバ車の車軸として、お役に立つのです。
tapon_coca
manguera
visitante
セメントを流し込むパイプ 番小屋の壁とコークの栓 水ホースの端切れ ロバ車の車軸


HOME