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panchos

第二話 泥の家


クリストバル(写真右)が自分の家を建てることになり、
大工のアルフレド
(写真左)と一緒にその模型を見せてくれました。
そもそも私たちの土地はクリストバルの紹介で買い、彼の土地の隣にあるのです。
彼は町中の実家に住んでいて、自分の土地にはまだ家がないのですが、
私たちの家を建てるに当たって、いろんな職人との間に立って助けてくれ、
半分出来上がった頃から、留守番代わりに我が家に住み込んでくれたのです。
そして、今度は自分の家も造るというのです。
ちなみにこの二人、経営学的には使用者と使用人なんですけど、友達のように一緒に働くんです。


 実は、我が家の工事が始まった頃、平行して彼の家造りも始まっていました。
 隣の空き地で、泥をこねて木の枠に入れて煉瓦のようなブロックを作り始めましたが、煉瓦の数倍の大きさが有ります
 これがアドベと言われ、話には聞いたことがありましたが、、造っているところを見るのは初めてです。
 日干しにするだけで、炉に入れて焼かないので煉瓦のように赤くならず泥のままと言う感じで、見栄えは良くありません。
 でも、煉瓦より経済的、そればかりか夏涼しく、冬暖かく、部屋の中が静かなんだそうです。
 土は、その辺のものをこねればいいというわけではなく、しかるべき所の泥で、これに適量の馬糞を混ぜるのがコツだそうです。。
 焼いてないから、雨がかかると表面から溶けていくので、ビニールシートをかけて保管します。
地面に並べて日干し
 かなりの量のアドベが出来上がったので、すぐ家造りにかかるのかと思ったらさにあらず。
 ほんとかどうか、資金が尽きたから中断するといって、土台作りにかかったのは、我が家がほぼ出来上がってからでした。
 ずいぶん土台が高いので聞いたら、大雨で地面を流れる水の勢いでアドベの壁が浸食されないためだそうです。
積み上げたアドベ
ビニールシートでカバー
高い土台
煉瓦と大きさを比べてください 雨雲が近づくとはらはらします 雨で溶けないようシートを被せます 土台は煉瓦の家より高くします

煉瓦と同じようにひとづずつ積んでいきますが、煉瓦よりずっと大きく重いので大変です。
アドベとアドベの間に詰めるセメントには石灰を混ぜて、黒いアドベとメリハリをつけるという美的配慮もします。
壁と壁の間に、鉄骨の入ったコンクリートの柱と梁で骨格を作り、ここまでは煉瓦の家と同じですが、屋根が違います。
鉄骨を縦横に渡し、瓦模様に整形したトタン板をボルトで留めていくだけで、夕立の時はさぞかし豪快な音がするんだと思います。
壁は外側はアドベのままですが、中は漆喰を塗ります。
間取りはトイレ、バス付きの1DKで、水の配管と電気配線が終わり、ドアと窓をたてつければ完成というところで、工事はまたストップです。
ただ今度は残ったアドベで馬小屋も作りました。
こっちは鉄骨とコンクリートの柱は使わず、アドベを積むだけです。

重いから大変
屋根張り
取りあえず完成
馬小屋
重いので積み上げも大変です 鉄骨枠組みにトタン板を張る 取りあえずここまで出来ました 馬小屋

馬が来たら私にも乗せてくれると言われ、畑の中の馬上の私を犬が追いかけて来る颯爽たる図を思い浮かべましたが、
実は私は40年ほど前、山中湖で一度乗ったことがあるっきりなんです。
しかも、私が間違えて曲がろうとしたコースを馬に拒否され、あらかじめ決められたコースを馬の意のままにたどったのでした。
家造りが、私から言わせれば、無計画に進むので、馬もいつ来るかわかったもんじゃありませんけど、
でも本当に来たら今度はちゃんと乗れるようにしたいと、年甲斐もなく夢を膨らませています。


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目次

第一話
蝿の天敵

第二話
泥の家

第三話
朝焼け、夕焼け

第四話
花、花、花

第五話
一寸の虫にも

第六話
最寄りの駅

第七話
鳥、とりどり
第八話
私の散歩道
第九話
ハカランダとリス
第十話
準備中
第十一話
準備中
第十二話
準備中