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♪ Mambo Mixed ♪
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 第三話

ポル・フィン(ようやく)着工

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 整地をするって言うから、麦わら帽子のおじさんが大鎌を振るうのかと思ったら、ブルドーザーでやるって言うんで、ちょっぴりがっかりでした。 そのブルドーザーも来なかったり、来たけど故障したりで、結局一ヶ月ぐらいかかってしまいました。 ま、アスタ・マニャーナは覚悟してましたけど、、、
 長老に紹介された大工の棟梁にも一度すっぽかされたんですが、間に入ってよろず面倒を見てくれることになっているC君が無理矢理我が家につれて来てくれました。
 身の丈ほどもあった雑草がなくなってみると、思ったよりも広く感じ御満悦。
 我が家での初顔合わせ。 まん中がC君、右が棟梁。
  昔とった杵柄で描いた図面を説明し、工費の単価や、支払い方法なんかを打ち合わせました。
 日頃、ゴルフ仲間と、いい加減なスペイン語で会話して、かなり出来る積もりになっていたんですけど、聞き慣れない建築用語が多いのもさることながら、ヘンな外人にでも理解出来るような話し方なんてしたことの無い人の、ホンモノの、スペイン語はさっぱり分かりません。 間に入ったC君は勿論日本語は知らなくて、棟梁の言うスペイン語をほぼ八九割オオム返しに言うだけなんですけど、日頃よく知ってるのと、身ぶり手ぶりなんかで、なんとか理解できました。
 あとでC君は棟梁から、あんたが通訳してくれるから助かったって大変感謝されたそうです。

 金の払いかたは、日本だと、大工さんの日給なり時間給なりで払うんでしょうけど、こっちでもそういう方法も有るけど、コカ・コーラ飲んでる時間も払うことになるから、平米いくらで払いなさいってコメントされていたので確認すると、棟梁もそれで了解でした。
 平米いくらってのは、土間が一平米出来たらいくら、煉瓦を積んで壁が一平米出来たらいくらって、各行程を面積で払っていくんです。
 ちなみに、煉瓦積みは平米当たり約600円です。 ゴルフのキャディーフィーと比べると結構いい値段です。
 

買い物

 棟梁は現場作業専門で、材料の手配とかは一切しない仕組みなんで、棟梁が要るって言うものは全部自分で買わなければなりません。  日頃、衣食住のものしか買ったことの無い私には、何をどこで買えるのか全く土地勘が無く、財布を握って、C君のあとをくっついて歩くのみです。
 二度目からは自分で買に来るぞって、心に誓ってついて歩いたんですが、1ペソでも安いところをって何軒も梯子するタフさは到底真似できそうも有りませんでした。
 ましてや、廃品回収業者のがらくたを掻き回したり、レストランを回ってコカ・コーラの栓を集めたりなんて芸当にはただただ恐れ入るのみです。
 ちなみに、コーラの栓は仮小屋を造る時、コールタールを塗った段ボールを木の柱に釘付けする時に座金として使うんです。
 そういう需要はけっこ有るものと見えて、バケツ一杯ぐらいためてあるレストランも有りました。
 



 2004年1月6日、棟梁に言われた材木とか釘とか、針金とかを買って、午前11時、現地集合。 まずは地面に、紐を張って石灰で境界線を描きます。 公道の位置は棟梁がこの辺だって勝手に決めます。
角材とコールタールを塗ったボール紙で番小屋を造ります。 ちなみに番人の日給は約千円です。

興奮に満ちた初日は番小屋を建てるところ迄で陽が暮れました。
二日目、地面に区画を描いて、ようやく本体の着工です。
早ければ4月の終わりには完成するとのことです。
 



 翌日、基礎を埋める溝を掘りはじめました。 棟梁が鶴嘴を振るい、うん、これがメキシコの田舎家造りだって嬉しくなったんですが、思いのほか深く掘らないと硬い地層にぶつからず、ブルドーザーを入れて呉って音を上げてしまいました。 水は2キロほど先の水源から右の写真の水路で引いてくるんですが、それまで工事に使う分は、トラックで運んでタンクに溜めます。


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