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♪ Canta Mexico ♪
panchos


cactus2
第十四話

人海作戦

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 今日はいよいよ屋根にコンクリートをうちます。 普段働いている6人だけだと、何日もかかり、昨日やって乾いた隣に今日、生のコンクリートをうつってことになり、そのつなぎ目から雨が漏れる怖れが有ります。 ですから、屋根のコンクリートうちは一気にやってしまわなければならないのです。
 大きなビルなんかだと、日本みたいに機械力を使ってやりますが、個人の住宅程度だと、コンクリートミキサー以外は全て人手です。
 と言う訳で、棟梁とC君が手分けして、15人集めて来ました。 昨日声をかけて今日来られるってことは定職が無い訳で、年配の浮浪者みたいな人が来るのかと思っていたら、みんな若くて逞しい人ばかりなので驚きました。


棟梁達を加えて、総勢21名。
これだけの人数が働くのは初めて。
ミキサーはレンタル。
バケツで一杯づつ運ぶ。
上ではベテラン二人がコテでならしていく。
煉瓦の天井を踏み抜かぬよう板が渡してある。


 日当は240円。 ふと戦後間もない頃の日本の日雇い労働者を呼ぶニコヨンと言う言葉を思いだしました。
 昼ちょっと前に、家内の用意した軽食、
(豆の煮物と、トマト味のスパゲッティ)午後三時にハム、チーズ、スライストマトの挟まったトルタ(ハンバーガーみたいなもの)をなんとひとり2個づつ平らげました。 なんせ、今が一年で一番暑い時期、それを屋根の上で働くんですから、このくらいは当たり前なのでしょう。


 使ったセメントが5トン、これに砂利と砂を約4トンまぜ、さらに乾くまでは水を含んでいますから大変な重量です。 鉄の梁と煉瓦を勘定すると、おそらく20トンぐらいじゃないでしょうか。 煉瓦造りの家が地震に弱いのが実感として分かります。 でも、幸いこの辺りはほとんど地震がなく、メキシコ大地震の時もほとんど感じなかったそうです。



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