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第十三話
似合いの車 |
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ある日C君がボロンボロンのピックアップに乗ってやって来ました。 この程度の車はメキシコの街なかでは珍しくないんですけど、御近所同士が外車の新型を競い合っている、この住宅街では、まるで、ロバ車が迷い込んで来たようです。 失礼ながら、思わず吹き出してしまいましたが、聞けば、頼まれて売りに出しているんだとのことでした。 |
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モデルは、日本だったら、お金を払っても引き取ってくれない1979年型のフォードです。 値段を聞くと私のセカンドカー92年型ビートルとほとんど同じ20万円代です。 なるほどね、メキシコじゃ古い車は4人しか乗れない乗用車より、荷台にお爺ちゃんお婆ちゃんや子供を満載できるトラックの方が価値が高いんだって感心しました。 |