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♪ Sopa de Caracol ♪
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第十二話

大工さんの日

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 メキシコには、先生の日とか、いろんな職業の人の日というのがあって、それらを全部国民の祭日にすると一年中お休みになるといわれています。
 5月3日は大工さんの日で、うちの棟梁達も午前中仕事をして、昼からはパーティーです。


 日本だったら、神主さんをよんで、榊を供え、お払いをしてもらうところでしょうが、ここでは建築中の建物の一角に十字架を供え、その場にいる誰かリーダーが聖書の一句(と思う)を唱えて、みんなで十字を切って、あとは賑やかに飲んで食べます。

 メキシコでは、夏よりも太陽が真上に来る4、5月の方が暑いのですが、一部は未だなんですが、天井が出来たおかげで日陰で涼しくパーティーができました。
 食事はメキシコ米の味付け御飯とフリホーレスマメのスープ、そしてメインが焼肉です。
 奥さんや子供達は室内に陣取り、焼肉の現場に手を出したりせず、子供達も終始行儀よく、感心させられました。
 バンドは我が家にもう電気が来ていると勘違いしてエレキの楽器を持って来て、慌てて携帯アンプを取りに帰るという一幕がありましたが、いかにも泥臭く今日の場にぴったりの四人組でした。


味付けメキシコ御飯
その向こうは焼肉に載せる香辛野菜
4人組バンド
一時間千円
出しゃばらない奥さん達と
行儀の良い子供達

 今日の本命はなんといっても焼肉。
 焼肉用のコンロが要るといわれて、私なんかはすぐちゃんとしたコンロをイメージして、誰かに借りなくっちゃと思ってしまったのですが、ドラム缶や、建築資材の端材で出来上がりです。
 炭を起こしはじめたんですが、なかなか強くならず配管工の人がガスバーナーを貸してくれて、一気に解決です。
 肉は、スーパーなら最上でもキロ800円ぐらいのところを、卸しで1000円ぐらいの特上品。
 焼き始まると、それまであっちこっちでビールなんか飲んでだべっていた人たちが集まって来てつっ突き始めます。
 特に赤い帽子の御老人、写真では隠れてますが、杖が放せず足取りもおぼつかないのに、肉がじゅうじゅういいだすと、生き々々としてあれこれ指示を出します。
 それにしてもこのお年寄りの持っている団扇、ウン十年前の組合の体育祭の物ですが、どこにしまってあったんだろ。
 焼き上がった肉を食べるにはナイフもフォークも要りません、トルティージャ(とうもろこしの粉で出来た大形の餃子の皮のようなもの)でくるんで食いちぎります。 これが柔らかくって、難無く噛み切れるんです。




建築端材とドラム缶の
急造コンロ<
なかなか火が強くならない
早くも踊り出す人も
ガスバーナーで
一気に強くなる
「必勝」団扇で
張り切る御老人
肉の脇で
トルティージャを暖める

こういうパーティーには決まって、どこの誰とも知れぬ人が何人かは来るものですが
この日も、3人、ひとによっては5人来ました
車もいつの間にか10台を数えてました。
朝のうち小雨がぱらついたんですが、パーティーの始まる頃には晴れ上がり、
みんな満足して、三々五々家路についたのであります。




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